二重絶縁とは?

電気には様々な安全設備がありますが、その一種類が二重絶縁です。多くの人が使用する電動工具と関連する部分ですので、基礎知識について理解しておきましょう。

この記事では二重絶縁とは?といったところから、使用機器(具体例)、マーク、接地との関係性、感電保護クラスについて解説していきます。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

二重絶縁とは?

二重絶縁とは、結論「二重の絶縁で機器を保護すること」です。

多くの電動工具は絶縁保護を行なっています。電動工具はその名の通り電気を使いますから、電気を安全に使用する為に絶縁保護を行い、安全性を確保することが必要です。

一般的な電動工具には「基礎絶縁」というものが施されています。

通常の使い方なら基礎絶縁だけで問題はありませんが、工事現場などの良くない環境下で電動工具を使用する場合、基礎絶縁だけでは不十分な場合があります。

そこで基礎絶縁に加えて「補助絶縁」を巻きます。

基礎絶縁と補助絶縁と二重で絶縁保護を施すことで、より高い安全性を保つことが可能です。

工事現場において何かしらの要因で片方の絶縁がおかしくなってしまった場合でも、もう片方の絶縁があることにより、電動工具を保護します。

 

二重絶縁が使用される機器

二重絶縁が使用される機器

  • 仮設照明
  • サンダー
  • インパクトドライバー
  • チェーンソー
  • アダプター
  • 延長コード
  • 電工ドラム

*商品によって異なる場合があります。

 

二重絶縁と接地の関係性

 

電気関係の安全設備といえば「接地」です。

接地も電気危機を安全に使う為の設備ですが、二重絶縁を施すことにより、接地が不要になります。というよりも接地工事を施す場所がありません。

考え方としては「二重絶縁で保護できているから、追加での安全設備は必要ない」ということです。

逆に二重絶縁でないものに関しては、接地が必要になる場合がありますので注意しましょう。

 

 

二重絶縁の見分け方・マーク

二重絶縁が施されている電動工具には、上記の様なマークが書かれています。「二重四角のマーク」が付いているか否かで二重絶縁であるかどうかを見分けます。

PSEマークなどが書かれている部分にありますので、確認してみましょう。

 

二重絶縁の感電保護クラス

二重絶縁の感電保護クラスは「Ⅱ」です。

そもそも感電保護クラスとは「感電に対する安全のレベル」でして、0からⅢまでのクラスがあります。0よりもⅢの方が安全です。

感電保護クラスの中で二重絶縁はⅡに分類され、それなりに安全性が確保できていることが証明されています。

二重絶縁(強化絶縁)

感電に対して基本保護を行う「基礎絶縁」に対し、基礎絶縁が故障した場合の保護を行う「補助絶縁」を更に施したもの。

基礎絶縁が何らかの原因で故障しても、補助絶縁によって危険電圧が表面に現れない機構となっているため、高い安全性を保つことができる。二重絶縁構造の製品は「二重の四角形マーク」の記号表示によって確認できる。仮設照明、電動ドライバーやサンダーなど、工事現場で使用する電気機器に採用例が多い。

定格電圧150V以上の電気機器など「接地(アース)を施すことが可能な機構としなければならない」と定められた電気機器において、二重絶縁構造とした電気機器であれば、接地を施す必要がないと規定されている。

工事現場で使用する電動工具など、水、塵埃などで汚染されやすい環境で使用する電気機器は、二重絶縁構造とすることで安全性を高めている製品が多い。対して、二重絶縁構造ではない電気機器を使用する場合、接地線の接続が法的に必要となる。

強化絶縁

絶縁構造の強化には、二重絶縁のほか「強化絶縁」という手法が存在する。二重絶縁は「基礎絶縁」と「補助絶縁」の二重構造となっているのに対し、強化絶縁は「単一の絶縁で二重絶縁と同等以上の感電保護が可能」とされている。

低圧電気設備-安全保護-感電保護(JIS C60364-4-41:2010)では、二重絶縁と強化絶縁はすべての状況で適用できるが、二重絶縁や強化絶縁を唯一の保護機能として電気機器を設計する場合「使用者が絶縁機能を損なうような変更を容易に行えないこと」を検証することが求められると規定されているため注意を要する。

機器の絶縁性能は、絶縁クラスと呼ばれる基準があり、二重絶縁または強化絶縁を採用する場合、絶縁クラスⅡがその電気機器の分類となる。これにはクラスⅡ機器としての基準を満足する場合、基礎絶縁だけで構成せず、二重絶縁または強化絶縁の安全措置を施すことが明記されている。

なお絶縁クラスⅡを採用する場合、接地機能(アース)を付加できない。接地を感電保護の機能として持たせる場合は絶縁クラスⅠとなる。

 

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