DBO方式とは?
DBO方式とは、Design Build Operateの略で、民間事業者に、設計(Design),建設(Build),運営(Operate)を一括して委ねることから、この名前がついています。
DBO方式では、行政が国の交付金や公債等を活用し、施設建設資金を低金利で調達し、民間事業者に施設の設計・建設・運営を一括で委ねることになります。
DBO方式とPFI方式の違い
民間の施設整備や運営・管理のノウハウ等を活用する事業手法という点で、PFI方式とDBO方式は同様に扱われることが多々ありますが、最も異なるのはその「資金調達方法」です。
DBO方式の場合、資金調達は行政が行います。
それに対して、PFI方式の場合、資金調達は民間が行います。
(PFIとは、Private Finance Initiativeの略で、民間の資金を活用して社会資本(公共施設、公用施設)の整備を図ることを言います)
参考までに、PFI方式とDBO方式の比較対照表は以下のようになります。
手法 | 設計・建設 (Design/Build) |
運営・維持管理 (Operate/Maintenance) |
資金調達 (資金内容) |
施設所有者 |
BOO方式(PFI) | 民間 (事業契約) |
民間 (長期契約) |
行政:交付金 民間:融資等 |
民間 |
BOT方式(PFI) | 民間 (事業契約) |
民間 (長期契約) |
行政:交付金 民間:融資等 |
民間 |
BTO方式(PFI) | 民間 (事業契約) |
民間 (長期契約) |
行政:交付金,一財 民間:融資等 |
民間 |
DBO方式 | 民間 (請負契約) |
民間 (長期契約) |
行政:交付金,起債,一財 | 行政 |
従来方式 (公設公営方式) |
民間 (請負契約) |
行政 (短期契約) |
行政:交付金,起債,一財 | 行政 |
DBO方式のメリット・デメリット
DBO方式のメリットとしては、
- 民間事業者に施設の設計・建設・運営・維持管理を一括発注するため、事業費の縮減効果
があげられます。
DBO方式のデメリットとしては、
- PFI方式と比べると民間事業者が資金調達をしないため、金融機関の監視(チェック)がない
- 金融機関の監視がないため、事業収益性が甘くなる可能性がある
- 行政が資金調達をするため、「財源論」になりがち(「財源論」になった場合、まちづくりの視点や多機能付加など発展性がなくなってしまいます)
まとめ
DBO方式は、従来の行政主導の施設建設に比べると民間を活かした手法ではありますが、
資金調達を行政が行うため、行政特有の「財源論」に終始する可能性が否定できません。
「財源論」になった場合、目的である施設が無難に出来上がる可能性が非常に高く、施設の可能性をつぶすことさえあり得ます。
例えば、文化ホールを建設するためにDBO方式を用いたとします。
エリアマネジメントの視点を入れれば、同じ施設内に子育てセンターや民間事業者用のスペースなどを作った方がより良い施設ができるはずですが、「財源論」になった場合、「いかに安く、文化ホールが建てれるか」という議論に終始してしまいます。
地域を一体的に考え、より良いプロジェクトにしようとした場合、DBO方式よりもPFI方式の方が良いかもしれません。