返信先: 動力盤の主幹ブレーカーの省略について
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基本的にはmasaさんの仰る内容の通りですが、補足で以下も記載しておきます。
1、動力盤の主幹ブレーカーは保守メンテおよび、改修時の利便性を考慮して
設ける要素が強いので、基本的には省略可能です。
国交省の「建築設備設計基準」、いわゆる茶本でも原則として端子受けとし、
受電の状態を確認しやすいよう、電源表示灯を設ける事が謳われています。
2、ただし、変圧器、ケーブルのインピーダンスから求められる定格遮断電流、
(俗にRC値などと呼ぶ・AT値の事ではない)の許容値を、分岐ブレーカーで
満たそうとするとコスト面やサイズ面で過大になる場合は、主幹ブレーカーを
設けて、これで定格遮断電流の性能を満たす必要が有ります。
なお定格遮断電流の保護協調を無視すると、最悪は事故時に電路の開放に
失敗して事故電流が流れ続け、ケーブルや盤が燃えて火災になります。
(まぁ、多くの場合は盤が焦げて停電する程度で終わりますが・・・)
3、電灯盤については一般に、官庁工事では茶本の基準に則り、分岐が
4回路以下の場合に主幹ブレーカーを省略可能です。
ただし、これは幹線分岐していない場合です。幹線分岐している場合は
後述する規定を考慮して検討する必要があります。
4、「3」について、民間工事では分岐が6回路以下の場合に、主幹ブレーカーを
省略する事が多いように思います。
「7」で挙げた条文が根拠と思われますが、私は正確な条文が分かりません。
5、masaさんの仰っている幹線分岐の規定は、内線規程1360-10(2011年版、
年度により番号が前後)「低圧幹線を分岐する場合の過電流遮断器の施設」に
詳細が掲載されています。
この方法の代表例は、共同住宅(マンション、集合住宅)の電灯幹線です。
某政令市の小中学校の電灯幹線も、この方法を用いています。
低圧受電の場合は上記に加え、以下も検討する必要があります。
6、低圧引込の場合、最初の主幹ブレーカーは供給約款上、省略できない場合が
ありますので、契約形態を考慮して設計・施工する必要があります。
具体的には「主開閉器契約」や「従量電灯契約」で検索すると、
各電力会社の供給約款が出てくると思いますので、それの内容を
確認すると良いでしょう。
7、低圧引込では上記のほかに、引込口から引込口装置(要はブレーカー)までの
距離制限や、主幹ブレーカーを兼ねる引込口装置を省略できる条件があるので、
注意する必要があります。
内線規程1370-7「引込口装置の施設」、1370-8「引込口装置付近の配線」
(何れも2011年版)を参照してください。
以下は少々特殊な例ですが、参考までに記載します。
8、既設で非常電源専用受電になっている受変電設備を改修して、変圧器から
直接、幹線を分岐させて、その先に消防負荷を含む分岐盤を増設したい、
という場合は「5」の内容を考慮しつつ、昭和50年5月28日消防庁告示第7号も
踏まえ、変圧器二次側の定格電流の1.5倍・2.14倍の計算結果をクリア出来る
主幹ブレーカーの選定を行う必要があります。
中々このような状況は無いと思いますが、稀に学校の改修などで発生します。
余談ですが、「2」に記載した定格遮断電流が分からない場合は、
「建築設備設計基準」や「建築設備設計計算書作成の手引き」を参照して下さい。
簡易的に数値を知りたい場合は、盤メーカーのカタログに選定用の簡易表も
掲載されていますが、簡易表は変圧器の仕様を決め打ちしている為、
例えばトップランナーよりも効率が高い、高効率型変圧器を使用するような場合は
簡易表で選定すると、事故電流の遮断性能が不足する可能性があります。