建物とキュービクルの離隔距離とは?

離隔距離とは、キュービクルを安全に操作するために定められている距離のことです。特に「キュービクルと外部の建物との距離」という意味で使われることもあり、その場合「保有距離」「保有スペース」ともいわれます。

火災予防条例第11条4項によると、離隔距離は以下のように規定されています。

保有距離を確保すべき部分 保有距離
屋内に設ける場合 屋外に設ける場合
周囲 操作を行う面 1.0メートル以上 1.0メートル以上。ただし、隣接する建築物又は工作物の部分を不燃材料で造り、当該建築物の開口部に防火戸その他の防火設備を設けてある場合は、屋内に設ける場合の保有距離に準ずることができる。
点検を行う面 0.6メートル以上
換気口を有する面 0.2メートル以上
キュービクル式以外の変電設備、発電設備及び蓄電池設備との間 1.0メートル以上

キュービクルの離隔距離は、操作を行う面が1.0mに加え保安上有効な距離、点検を行う面が0.6m以上、換気口を有する面は0.2m以上と定められています。

屋外に設置する場合は、建屋とキュービクルの間に3m以上の距離、周囲においては1m+保有上有効な距離を保たなければなりません。

非認定・認定キュービクルの離隔距離の規定について

 

「消防庁告示7号および8号」の基準に適合したキュービクルのことを「認定キュービクル」といい、適合していないキュービクルは「非認定キュービクル」といいます。

非認定キュービクルの場合は、隣地境界から3.0m以上の距離を確保する必要があります。万が一3.0mの距離が確保できない場合は、キュービクルの高さ以上の不燃材で造った塀を設置しなければなりません。

一方認定キュービクルの場合は、屋内と屋外に設置する場合で保有距離が異なります。

屋内に設置する場合は火災予防上不燃材で区画された室に設置された場合と同じですが、屋外に設置する場合は建築物から3mではなく1m以上に緩和されています。

 

屋外設置のキュービクル

屋外へ設置するキュービクルは、金網等で区画する必要はありませんが、各自治体の火災予防条例でキュービクル周囲の保有距離が決められている場合がありますので、確認が必要です。
なお、キュービクルを図のような高所の開放された場所に施設する場合は、周囲の保有距離が3 mを超える場合を除き、高さ1.1 m以上の柵を設けるなどの墜落防止措置を施す必要があります。

東京都火災予防条例(例)第11条
1) 屋外に設けるキュービクル式受電設備(消防長が火災予防上支障がないと認める構造を有するキュービクル式受電設備は除く。)は、建築物から3 m以上の距離を保つこと。ただし、不燃材料で作り、又はおおわれた外壁で開口部のないものに面するときは、この限りでない。
2) 金属箱の周囲の保有距離は、1 m+保安上有効な距離以上とすること。ただし、隣接する建築物等の部分が不燃材料で造られ、かつ、当該建築物等の開口部に防火戸その他の消火設備が設けてある場合にあっては、表1に準じて保つことができる。

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