これさえ知っていれば送電鉄塔の電圧階級は一発で分かる

 再エネ開発においては、まず初めに現地調査に行って連系する場所を探しますよね?技術屋でない人が探してきたりすると、連系点が近くにあるとの報告が、実は50万ボルト鉄塔であったりします。

 電気事業をやっているのですから鉄塔の電圧ぐらい把握してほしいところですが、実は多少の知識さえ知っていれば簡単に見分けられます。

 本記事では写真も含めて解説しますので、これを読めば至る所にある送電線の電圧がほぼ分かるようになります。

日本の電圧階級

 そもそも電圧階級を知っていないと始まりません。これは電力会社により若干違います。下記に電圧階級を纏めました

特別高圧については電力会社により若干異なります。

例えば、
・66kVは北海道、東北、東京、中国、四国、九州、沖縄
・77kVは中部、関西
・北陸は両方
と言った具合です。

その上位階級だと
・184kVは北海道のみ
・110kVは中国のみ
・その他は154kV
となっています。

碍子を見れば階級が分かる

 その地域の電圧階級を把握すればあとは碍子を見れば電圧は分かります。

覚えるのは
碍子1個はざっくり10kV
これだけです。

写真を見ていきましょう。

碍子のひだを数えます。6個なので60kVぐらい。よって電圧階級は66kV or 77kVです。

 黒い碍子は10個の区切りです。14個なので140kVぐらい。電圧階級は154kV。

塩害地域であれば個数が多かったりします。
その地域の環境や建てられた年代、碍子種類によって個数は前後しますが、殆どこれで見分けられます。

超高圧の電圧階級の見分け方

これは碍子の数を数えなくても電線を見るだけで分かります。電圧階級の表で「複導体」と記載しているのに気付きましたか?

 この複導体は1相が一本ではなく複数の線で構成されいるものです。多導体とも言います。
これも写真を見ていきましょう。

2本の複導体は275kVです。

4本の複導体は500kVです。6導体の場合もあります。

 ちなみに8導体は1000kV設計の500kVです。東電管内と長野、新潟で見ることができます。

 複導体の種類には、2導体、3導体、4導体、6導体、8導体があり、3導体は珍しいですが、275kVや500kVで採用されていたりします。

いかがでしたか?簡単ですよね。
高速道路を運転していればほぼ全ての電圧階級が横断しますので、同乗の人にクイズを出してみて下さい。場合によってはひかれます。

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