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受変電|油入変圧器とモールド変圧器の違い

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  • #810
    管理者A
    キーマスター

    今回は変圧器の仕様であるモールドと油入について解説したいと思います。単線結線図に油入(若しくはモールド)と書かれているけど仕様の違いは何なの?といった方や設置基準や選定方法はあるの?といった方におすすめの内容となっておりますのでぜひ最後までよろしくお願いいたします。

    油入とモールドの違いと選定のポイント

    項目 油入 モールド
    規格 JIS C 4304 JIS C 4306
    メンテナンス 油の劣化診断 なし
    絶縁方式 紙・鉱油 エポキシ樹脂
    冷却方式 油冷却 空気冷却
    燃焼性 可燃性 難燃性
    大きさ 大きい(モールドに対し) ー
    消火設備 容量により特殊消火が必要 容量にかかわらず大型消火器
    使用場所 屋内・屋外 屋内・屋外(条件付き)
    価格 安価(モールドに対し) ー

    設置場所について
    近年の受変電方式としてはキュービクル式を採用されていることがほとんどのため油入、モールド変圧器のどちらも採用可能ですが、モールド変圧器を選定する際は下記の点について注意する必要があります。

    暴風雨時でも吸気口、排気口などから侵入した雨水が変圧器にかからない構造としてください
    直射日光がモールドコイルに当たらぬようにガラスまたはアクリル板などで直射日光をさえぎってください。
    夏期にはキュービクル内の温度が上昇しますので、換気を十分に行い、変圧器の周囲温度は40℃以下になるよう配慮してください。

    出典:(モールド変圧器:日立産機システム (hitachi-ies.co.jp))より

    油入変圧器のメリット・デメリット
    油入のメリット
    冷却効果が優れている(油による冷却)
    価格が低い
    納期が早い
    油入のデメリット
    定期的な絶縁油の交換が必要
    サイズ、重量が大きくなる
    油のため燃焼の可能性がある(消火設備への影響)

    モールド変圧器のメリット・デメリット
    出典:(配電用モールド変圧器 製品一覧 配電用変圧器 | 三菱電機 FA (mitsubishielectric.co.jp))

    モールドのメリット
    機器の定期的なメンテナンスが不要
    サイズ、重量が小さい
    安全性が高い(燃焼の可能性が低い)
    モールドのデメリット
    屋外に設置する場合キュービクルに条件が出てくる(結露対策)
    価格が高い
    納期が遅い
    油入とモールドのサイズ早見表
    単相変圧器 6kV-210/105V 三菱電機 Rシリーズより
    容量 Hz 油入 モールド
    X Y Z 重量 X Y Z 重量
    50 50 490 540 740 245 525 515 830 290
    75     605 520 915 330 590 530 860 350
    100     615 560 1010 405 530 520 870 390
    150     670 580 1060 500 595 565 915 470
    200     735 640 1060 610 625 570 1020 600
    300     790 625 1230 805 670 595 1190 880
    500     945 725 1430 1370 860 725 1225 1130

    50 60 490 540 740 240 525 505 830 270
    75     605 520 915 325 590 515 860 320
    100     615 560 1010 400 530 515 870 370
    150     670 580 1060 495 595 555 915 430
    200     735 640 1060 605 625 560 1020 550
    300     790 625 1230 800 670 580 1190 800

    三相変圧器 6kV-210V 三菱電機 Rシリーズより
    容量 Hz 油入 モールド
    X Y Z 重量 X Y Z 重量
    50 50 550 495 760 280 620 400 710 260
    75     790 505 915 395 735 470 820 400
    100     820 510 1010 480 735 470 820 410
    150     815 550 1040 640 810 550 905 590
    200     900 550 1070 760 900 560 945 740
    300     985 615 1205 1060 930 585 1020 910
    500     1150 665 1300 1530 1125 620 1190 1420

    50 60 550 495 760 275 620 400 710 230
    75     790 505 915 390 735 455 820 340
    100     820 510 1010 475 735 455 820 350
    150     815 550 1040 635 810 550 905 500
    200     900 550 1070 755 900 550 945 620
    300     985 615 1205 1050 930 565 1020 790
    500     1150 665 1300 1520 1125 600 1190 1220

    • この返信は2年、 5ヶ月前に管理者Aが編集しました。
    #812
    管理者A
    キーマスター

    まとめ
    油入とモールドの違いと選定のポイント

    油入モールドの主な違い
    項目 油入 モールド
    メンテナンス 油の劣化診断 なし
    冷却方式 油冷却 空気冷却
    燃焼性 可燃性 難燃性
    大きさ 大きい(モールドに対し) ー
    消火設備 容量により特殊消火が必要 容量にかかわらず大型消火器
    使用場所 屋内・屋外 屋内・屋外(条件付き)
    価格 安価(モールドに対し) ー

    選定のポイント

    コスト

    価格を考慮する場合油入のほうが安価となる

    設置場所

    油入は設置場所により条件はないがモールドの場合キュービクル仕様に条件あり

    寸法

    設置場所のスペースが限られてる場合、モールドのほうが寸法・重量ともに小さくなる

    ※サイズによっては油入方が小さい場合があるので注意する

    可燃性

    油入は機器に油を含んでいるため周囲に発火性の物がある場所は検討を行う

    モールドを屋外に設置する場合の条件

    暴風雨時でも吸気口、排気口などから侵入した雨水が変圧器にかからない構造としてください
    直射日光がモールドコイルに当たらぬようにガラスまたはアクリル板などで直射日光をさえぎってください。
    夏期にはキュービクル内の温度が上昇しますので、換気を十分に行い、変圧器の周囲温度は40℃以下になるよう配慮してください。

    油入のメリット

    冷却効果が優れている(油による冷却)
    価格が低い
    納期が早い

    油入のデメリット

    定期的な絶縁油の交換が必要
    サイズ、重量が大きくなる
    油のため燃焼の可能性がある(消火設備への影響)

    モールドのメリット

    機器の定期的なメンテナンスが不要
    サイズ、重量が小さい
    安全性が高い(燃焼の可能性が低い)

    モールドのデメリット

    屋外に設置する場合キュービクルに条件が出てくる(結露対策)
    価格が高い
    納期が遅い

    • この返信は2年、 5ヶ月前に管理者Aが編集しました。
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