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接地線の種類と太さの選定方法

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  • #847
    管理者A
    キーマスター

    電気設備において接地線はなくてはならないものですが接地工事の種類、規格、接地線の選定方法など疑問に思う方も多いと思います。接地工事の種類、サイズの選定方法について解説していますので宜しくお願い致します。

    接地工事別の接地線サイズ
    C・D種接地工事
    過電流遮断器の定格電流 接地線の太さ
    30 A以下 1.6 ㎜以上
    50 A以下 2.0 ㎜以上
    100 A以下 5.5 ㎟以上
    150 A以下 8 ㎟以上
    200 A以下 14 ㎟以上
    400 A以下 22 ㎟以上
    600 A以下 38 ㎟以上
    800 A以下 60 ㎟以上
    1000 A以下 60 ㎟以上
    1200 A以下 100 ㎟以上

    B種接地工事
    変圧器一相あたりの容量                       接地線
    100V      200V       400V
    5 kVA以下 10 kVA以下 20 kVA以下 5.5 ㎜
    10 kVA以下 20 kVA以下 40 kVA以下 8  ㎜
    20 kVA以下 30 kVA以下 75 kVA以下 14  ㎟
    40 kVA以下 75 kVA以下 150 kVA以下 22  ㎟
    60 kVA以下 125 kVA以下 250 kVA以下 38  ㎟
    75 kVA以下 150 kVA以下 300 kVA以下 60  ㎟
    100 kVA以下 200 kVA以下 400 kVA以下 60  ㎟
    175 kVA以下 300 kVA以下 700 kVA以下 100  ㎟

    接地線サイズの選定根拠
    (1)接地線の温度上昇について
    銅線に短時間電流が流れた場合の温度上昇は、一般に次の式で与えられます。
    銅線に短時間電流が流れた場合の温度上昇
    θ=0.008×(I/A)2×t
    θ:銅線の温度上昇[°C]
    I:電流[A]
    A:導体の断面積[㎟]
    t:通電時間[秒]

    (2)計算条件
    接地線の太さを決定するための計算条件は次のとおりとする。
    接地線太さの計算条件
    接地線に流れる故障電流の値は、電源側過電流遮断器の定格電流の20倍とする。
    過電流遮断器は、定格電流の20倍の電流では、0.1秒以下で切れるものとする。
    故陣電流が流れる前の接地線の温度は30°Cとする。故障電流が流れたときの接地線の許容温度は、150°Cとする。(従って許容温度上昇は、120°Cとなる。)

    (3)接地線サイズの計算式
    接地線サイズの計算式
    120=0.008(20×In/A)2×0.1
    A=0.052×In
    ここにIn:過電流遮断器の定格電流すなわち、
    接地線の太さは過電流遮断器の定格電流に“0.052”をかけた数値となります。

    接地線サイズ計算の手順
    過電流遮断器のトリップサイズを確認する
    トリップサイズ×0.052を行う
    計算結果を接地線サイズとする
    配線用遮断器トリップ値が175Aの場合・・・
    175×0.052=9.1
    9.1≒14となり接地線サイズ14㎟となります。

    接地工事の種類
    接地工事とは電気設備と大地間を電気的に接続することを差します。漏電による感電防止や異常電圧の抑制などを目的としており、機器の種類や電圧などにより接地工事の種類が分かれています。
    電技解釈第17条より

    電技解釈第17条第1項
    A種接地工事は、特別高圧計器用変成器の2次側電路、高圧または、特別高圧用機器の金属製外箱等の接地等、高圧電路の侵入の恐れがあり、かつ、危険度の高い場合に要求されるものにおいて施すものである。接地抵抗値は10Ω以下。
    電技解釈第17条第2項
    B種接地工事は、高圧又は特別高圧が低圧と混触する恐れがある場合に、低圧電路の保護のために施設されるものである。混触の際に、接地線に高圧または特別高圧電路の短絡電流がながれた場合の電位上昇による低圧機器の絶縁破壊を防止するため、設置店の電位が150V(一次側が高圧または35kV以下の特別高圧電路であって、150Vを超えたときに1秒を超え2秒以内に自動的に遮断する場合は300V、一秒以内に遮断する場合は600V)を超えないようにしたもの。

    電技解釈第17条第3項
    C種接地工事は、300Vを超える低圧用機器の金属製外箱等の接地など、漏電による感電の危険度の大きい場合に施設されるものであり、接地抵抗値は10Ω以下。

    電技解釈第17条第4項
    D種接地工事は、300V以下の低圧用機器の金属製外箱等の接地など、漏電の際に、簡単なものでも接地工事を施してあれば、これによって感電等の危険を減少させることがでいる場合に施すものであり、接地抵抗値は100Ω以下。

    機械的強度
    A種接地工事
    引張り強さ1.04kN以上の金属線または直径2.6mm以上の軟銅線

    B種接地工事
    引張り強さ2.46kN以上の金属線または直径4.0mm以上の軟銅線
    (高圧電路または使用電圧が15000V以下の特別高圧架空電線路の電路と低圧電路とを変圧器により結合する場合は引張り強さ1.04kN以上の金属線または直径2.6mm以上の軟銅線)

    C種接地工事
    引張り強さ0.39kN以上の金属線または直径1.6mm以上の軟銅線

    D種接地工事
    引張り強さ0.39kN以上の金属線または直径1.6mm以上の軟銅線

    耐食性
    接地線は,容易に腐食しない金属線である必要があり、自然腐食、電食、海水腐食などの要因を考慮しなければならない。

    #848
    管理者A
    キーマスター

    まとめ
    接地線の種類と太さの選定方法

    接地工事の要点

    接地工事の種類

    A種接地工事

    引張り強さ1.04kN以上の金属線または直径2.6mm以上の軟銅線

    B種接地工事

    引張り強さ2.46kN以上の金属線または直径4.0mm以上の軟銅線
    (高圧電路または使用電圧が15000V以下の特別高圧架空電線路の電路と低圧電路とを変圧器により結合する場合は引張り強さ1.04kN以上の金属線または直径2.6mm以上の軟銅線)

    C種接地工事

    引張り強さ0.39kN以上の金属線または直径1.6mm以上の軟銅線

    D種接地工事

    引張り強さ0.39kN以上の金属線または直径1.6mm以上の軟銅線

    接地工事が必要な場所

    A種接地工事:避雷針、避雷器、高圧、特別高圧機器

    B種接地工事:変圧器(一次二次の混触事故時の危険防止)

    C種接地工事:300Vを超える機器

    D種接地工事:300V以下の機器

    銅線に短時間電流が流れた場合の温度上昇

    θ=0.008×(I/A)2×t

    θ :銅線の温度上昇[°C]
    I:電流[A]
    A:導体の断面積[㎟]
    t:通電時間[秒]

    (2)計算条件

    接地線に流れる故障電流の値は、電源側過電流遮断器の定格電流の20倍とする。
    過電流遮断器は、定格電流の20倍の電流では、0.1秒以下で切れるものとする。
    故陣電流が流れる前の接地線の温度は30°Cとする。故障電流が流れたときの接地線の許容温度は、150°Cとする。(従って許容温度上昇は、120°Cとなる。)

    (1)の計算式に計算条件を当てはめた場合

    120=0.008(20×In/A)2×0.1

    A=0.052×In

    接地線サイズ計算の手順

    過電流遮断器のトリップサイズを確認する
    トリップサイズ×0.052を行う
    計算結果を接地線サイズとする

    配線用遮断器トリップ値が175Aの場合・・・

    175×0.052=9.1

    9.1≒14となり接地線サイズ14㎟となります。

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